風は東から(校長ブログ)
新入生に取り組んでもらいたい3つのこと(入学式式辞)
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの入学を心より歓迎いたします。
また、本日ここにお集まりいただいた保護者の皆様、ご家族の皆様にも心よりお祝い申し上げます。
春の訪れとともに、318名の新しい仲間を迎え入れることができることを大変嬉しく思います。新入生の皆さんは、これからの3年間、この学校で数多くの学びや経験を積むことになります。皆さん一人ひとりが持つ可能性は無限大であり、ここでの時間がその可能性を大きく広げるものになることを心から願っています。
さて、ただ今、入学を許可されました新入生の皆さん、これからの高校生活において、皆さんに取り組んでもらいたいことが3つあります。それは、「目標を持つこと」、「知識を深めること」、「挑戦すること」それぞれ、著名な方の言葉を紹介し、これからの高校生活の指針としていただければと思います。
1つ目は、夢や目標を持つこと。
ウォルト・ディズニーのことばで、「夢を見ることができれば、それを実現することもできる。」とあります。
皆さんが持つ夢は、小さくても大きくても構いません。その夢を抱き続けること、そしてそれに向かって一歩ずつ歩むことが大切です。夢に向かって進む皆さんの姿は、周りの仲間にも影響を与え、やがて大きな成果を生むでしょう。夢を言葉にして誰かに伝える、または、鏡の中の自分に向かって声にしてみるのも夢に近づくための第一歩かもしれません。
2つ目は知識を深めること。
フランスの作家 サン=テグジュペリが『星の王子さま』の中で語った言葉です。
「本当に大切なことは、目に見えないんだよ。」
この言葉は、物事の本質を見極める力が大切であることを教えています。高校生活で学ぶ知識は、目に見える成果だけでは測れません。学ぶことによって得られる思考力や想像力、他者を理解する心、それらが皆さんの人生を豊かにし、未来を切り開く鍵となります。
本校生の出身中学校は約100校もあります。人種や性別などのジェンダーを超えてダイバーシティ(多様性)が求められる時代です。多くの人との出会いの中でお互いの違いを認めて尊重し、深い知識を駆使し自分はどう生きるか思考してください。
3つ目は挑戦すること。
漫画家、藤子・F・不二雄(『ドラえもん』の原作者)の言葉です。
「未来はすべて、自分の手でつくるものだ。」
高校生活は、皆さんが未来を形づくるための大切な時間です。どんな未来を描きたいかを思い描き、その実現に向けて行動を起こしてください。厳しい受験を突破してきた皆さんには十分な素質があります、失敗を恐れず挑戦し、一歩ずつ前に進むことで、必ず夢に近づくことができます。
以上の3つを心にとめ、充実した高校生活を送ってくれることを期待します。
私たち教職員一同、皆さんの指導に全力で当たります。そして、全力で応援します。
新入生の皆さんが、自らの目標に挑戦し続け、前向きな高校生活を送ってくれることを願い、式辞といたします。
令和7年4月8日
埼玉県立草加東高等学校長 佐藤智明
※式では、藤子・F・不二雄 氏 の出身地を春日部市とお伝えしましたが、正しくは富山県高岡市の誤りでした。
対話力を磨こう(始業式)
今日から令和7年度、新しい年度がスタートし、午後からは第46期生の入学式が行われます。皆さんはそれぞれ、2年生と3年生、草加東高校の中心となって活躍し、後輩たちを引っ張っていく、または、さすがは先輩と憧れられるような存在になってくれることを期待しています。
始業式にあたり、私がから皆さんに伝えたいことが3つあります。
【1 身に着けてほしい力、対話力】
皆さんが社会に出るころには、今ある仕事の半分はなくなるといわれる、変化の激しい時代です。前例を探しても、答えが用意されていない時代を生き抜くために必要なものは、google検索のように、どこかに用意してあった過去の答えを探すことではなく、周囲の人と協調して、前向きに知恵を出し合い、課題を解決するための協調的な対話力です。
いま、対話という言葉を使いましたが、「対話と会話」は似ている言葉ですが、違いって何だと思いますか。
「対話」とは、互いの立場や意見の違いを理解し、その ズレを擦り合わせることを目的に行うものです。会話も対話も二人もしくは少数で話し合うことですが、 会話には明確な目的やゴールがありません。例えば、今日いい天気だねとか、昨日、あのテレビ見た?など
それに対し、対話は何かしらのテーマに基づいて、お互いが意見を述べ合い、何らかのゴールを目指します。
この対話力は、決して一人で身に着けることはできません。人と人の中で協調して取り組む経験こそが、対話力を高めていくものです。本校では学校行事や部活動など学年を超えて、取り組む活動があり、人と人とのつながりのネットワークを広げる機会がたくさんあります。新しい級友との出会いは対話力を高めるチャンスです。何事にも積極的に取り組んでください。
【2 進路選択について】
3年生だけでなく、2年生も進路について真剣に考える時期が迫っています。準備はどうでしょうか。進路決定に向けて大切なことは、第一志望を簡単にあきらめず、データに基づいて「積極的」な進路決定をすることです。
大学進学を目指す高校生がよく勘違いしていることは、模試判定、北辰テストと大学受験は意味が違う。詳しくは進路の先生や担任の先生に相談してほしいが、3年生であっても、いまCやD判定だからと言って安易に志望校をあきらめる必要はない。3年生の4月でD判定でも、合格している生徒はたくさんいます。ちょっと前の駿台模試のデータでは、3年の9月にD判定でも最後まで頑張った生徒の40%は合格している。これがデータに基づいて判断すること。
模試では、合否判定よりも、回答や解説を詳しく見て「何がわかっていないか」を確認し、合格ラインに届くには、あと何点取ればいいかを知ること。 そして、何がわかっていないかを確認しながら、対策をたてて勉強を進めていく方法を「メタ認知的」学習と言い、学習科学の研究では、成績向上にとても効果的だといわれています。学校の定期テストや小テスト、模試や英検などを効果的に活用して、「自分が何をわかっていかを理解して、それを克服する学習プランを考え取り組むというメタ認知的学習」で効果的に学力を高めてほしい。ただし、希望の進路をかなえるには、自ら学ぶ姿勢や一定の学習の時間は必ず必要です。昨年度、看護系の進学では県内トップクラスの難易度の大学に進学した君たちの先輩は、3年生になってからの追い上げでしたが、ほぼ毎日職員室前の机で勉強していました。
【3 時間を有効に使う】
私が尊敬する教え子の話をします。
さいたま市内の高校で担任をしていた頃のサッカー部の生徒。その生徒は朝7時頃から朝練、授業後は夜9時ころまで練習に打ち込んでいました。そのような生活をしていたので、家で勉強する時間はないのですが、授業中に集中して取り組み、とても優秀な成績でした。その生徒とは、のちに日本代表のGKとなって海外でも活躍した川島永嗣君でした。集中力、スキマ時間の使い方、高い志など、私が心から尊敬する教え子の一人です。
皆さんも、勉強中はスマホの電源をオフ、朝学習や電車通学の時間を活用するなど、時間の使い方について参考にしてほしいと思います。
最後に、日米で野球殿堂入りを果たした、イチロー選手の言葉を紹介します。
「小さいことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道。」
目標を達成するための近道はなく、小さな努力の積み重ねが最も大切です。小さな一歩であっても、それを続けることでやがて大きな成果へとつながることを忘れずに、令和7年度の高校生活を送ってください。
高校生活をマネジメントする(3学期修了式)
今日は明日からの春休みに向けて「高校生活をマネジメントする」という話をしたい。つまり、高校生のうちに何をしておきたいかを考えて、計画的に行動するということを考えてください。
ところで、もし、人生をやり直せたら、どの年代に戻りたいかと考えてみました。(やり直したいわけではないですが。)
私自身を振り返ると、あそこに戻れば、なんにでもなれた、無限に将来の選択肢があったと思える時代が、高校生だと思っています。みなさんは、今、目の前に無限の選択肢があることを意識できていますか。
例えば、10年後の自分をイメージする。25歳から27歳、ほとんどの人は仕事をしていると思う。または、結婚して家庭を持っているかもしれない。皆さんは、どこで、どんな人たちと、どんな事をしていますか。
その10年後を決めるのは、高校時代の今をどう過すかが大きく関係します。中学校までは、自分の将来を選ぶ選択肢は多くなかった。中学から高校で進路の選択はあったが、ほとんどの中学の友達は高校に入学しているから大きな差はない。ところが、高校から先はいろいろな選択肢があります。卒業した3年生も、大学、短大、専門学校、就職と様々に進路を決めてそれぞれの道に進んでいきました。
どの進路に進もうと、勉強は避けて通れない。進みたい進路を実現するには、今、何をやらなければならないか。2学期に話した通り「悩む」のではなく「考え」て行動してください。
まずは、1日の中で、無駄な時間を減らす。YoutubeやTikTok、スマホゲームにどれだけ時間を取られていますか。かなり長時間これらのことに夢中になっている生徒もいます。確かに楽しいし夢中になることもわかります。でも、その時間は皆さんの進路実現にプラスになっているのか、改めて考えてください。
息抜きの時間は大切ですが、時間には限りがあります。ある生徒は、メールやチャットに気を取られるので、勉強するときはスマホを目の届かない場所に置くようにしていました。自分自身で自分の行動を計画的にコントロールする、これをマネジメントといいますが、自分の将来に向けて、自分自身をマネジメントしてください。
学習が大切と分かっていても、人間の心は弱いものだから、誘惑に負けやすい。
誘惑に負けない生活をするためには、学習時間を日常のルーティンに組み込むことが大切です。毎日、決まった時間に2時間机に向かう。朝学習の時間より1時間早く来て学習を始める。はじめは中身が伴わなくてもいい。2カ月続ければ、それが習慣になる。何かを変えようとする努力で大変なのは最初だけです。そのあとは、必ず成果がついてくるものです。
生徒手帳には毎日の計画や今週の予定/目標、振り返りを書く欄があります。大きな目標に近づくためには小さなステップを積み重ねる以外に道はありません。
新しい学年の切り替えは、新しいことを始めるチャンスです。新年度に向けて、夢をつかみ取るため「自分の高校生活をマネジメントする」ことを今日から始めてください。
未来を変える唯一の方法は、「今」を変えること
君たちが、1年後、または2年後に自分の希望する進路を実現することを期待しています。
全力を出すとは(3学期始業式校長講話)
新しい年を迎えました。新たな決意をもって、進級、卒業に向けて自覚ある学校生活を過ごしてください。
昨日は全国高校ラグビー決勝戦が行われ神奈川の桐蔭学園が優勝しました。選手一人ひとりがチームのために、全力を出し切って頑張る姿に感動しました。本校でも本日は水泳部、2学期終業式では放送、演劇、野球、弓道、陸上など多くの部活動の表彰をしましたが、皆さんが全力を出して頑張った成果だと思います。
さて、全力を出すといいましたが、「全力を出し切る」ことにはどんな意味があるのでしょうか。今日は、このことについて話をします。
最初にちょっと、別の話をします。お正月にお年玉をもらった人もいるでしょう。お金は使った分だけ無くなり、増えることはありません。お金を減らさないためには節約して計画的に使う必要があります。それに対して、人間の力は違う、とある先生が言いました。
その先生とはラグビー日本代表の監督を務めたこともある平尾誠二さんの高校時代の恩師で、スクールウォーズというドラマのモデルといわれる、ラグビー部顧問の山口良治先生です。平尾さんは、顧問の先生が「お金と人間の力は違うんだ」という話をずっと覚えていたそうです。
その話とは「人間の力というのは全部出し切らないと増えない。だから余すことなく使わなければいけない。今、10ある力を全部出し切ったら、10.001くらいになる。次の試合で10.001を全部使い切ったら、10.002というふうに力が増えていく。出し切らずに溜めたら、逆に減ってしまう。それがお金と違うところだ。」という言葉を生徒に伝えていたそうです。
なるほど、と思います。ラグビーだけでなく、いろいろなことに当てはまるのではないでしょうか。皆さんは持っている力を全部出し切っていますか。頑張ったつもりでいたけど、これくらいでいいや、と途中で自分に言い訳をしていたことはありませんか。私自身も頑張ったつもりになっていたことがあります。
この先生の話では、「10の力を出し切ってもすぐに20や30になることはなく、力がつくのはほんのわずか。それでも、力を出し切れば確実に力が付く。」と言っています。
ほんのわずかですから自分では気づきにくく、本当に成長しているのか心配になる人もいますが、その積み重ねを続けることが成長、進歩というものです。全力を出し切るというのは、皆さんが成長するためになくてはならないことなのです。お金と違って人間の力は使い切らないと増えていきません。出し惜しみをせずに思いっきり使い切ってください。
2学期の終業式で「考えること」と「悩むこと」の話をしました。「悩む」から「考える」にシフトし、さらに、「全力を出して行動する」3学期にしてくれることを期待しています。
悩むことと考えること(2学期終業式 校長講話)
明日から、冬休み。昨日の大掃除に続き、今朝は寒い中、野球部が学校周りをきれいにしてくれました。ありがとうございます。3年生は、本日共通テストガイダンスも予定され、大学入試に向けて追い込みの時期、実力が発揮できるよう頑張ってください。
さて、今日は「悩むことと考えること」という話をします。皆さんはテストが終わったばかりですが、テスト前のAさんとBさんという想定で話をするので、想像してみてください。
Aさん 明日の大切なテストに向けて、夜遅くまで勉強しています。12次も過ぎたころ、不安になってきました。「もし明日、テストで失敗したらどうしよう…」 そう思った瞬間、心はざわざわし始め、不安が頭から離れません。
次は、Bさん 同じように、テストの準備をしている。「この問題は先生が重要と言っていたのでしっかり復習しよう。優先順を考えて計画し、効率よく勉強する方法を考えよう。」 と、自分に言って取り組みます。
さあ、ここで AさんBさん、どちらが「悩む」でどちらが「考える」でしょうか。これらは似ているようで、大きく異なります。Aさんは「悩む」という状態、Bさんは「考える」という状態です。
では「考えること」と「悩むこと」の違いは何でしょう。「悩む」とは、心が苦しむ状態を指します。例えば、テストの点数が思うように取れなかったとき、そればかりを考えて夜も眠れなくなってしまう状態です。この時、頭の中は過去に向かったネガティブな思考でいっぱいになります。一方、「考える」とは、様々な選択肢を冷静に比較し、解決策を模索する活動です。例えば、週末に友達とレイクタウンに買い物に行くか、図書館やスタバで勉強するかを冷静に考え、時間を効果的に使う方法を決めることです。選択肢を比べながら、未来に向かって最善の選択をしようとします。つまり、「悩む」は、ただ痛みを感じているだけで、解決には一歩も近づけません。しかし、「考える」は、問題を解決するためのステップであり、前に進む力を生むものです。
ただし、「悩む」と「考える」はどちらも大切な思考です。悩むということは、それだけたくさんの思考ができている状態で、だれもが悩むものです。その悩みが皆さんの人格を形成しているのです。とはいっても、悩んでばかりでは何も解決しないのも事実です。問題を解決するためには「悩み」から「考える」に思考を変化させる必要があります。
皆さんの進路についても考えることが大切です。推薦に関する資料が職員室前に掲示されていますが、1・2年生も見ていますか。大学の推薦条件としてどんなものがあるでしょう。例えば、評定平均〇〇以上、欠席〇日以内、次いで英検などの資格を基準としてあげている大学が多くあります。
先日、英検の校内受験の申し込みがありました。2級と準2級併せて30人弱、皆さんの進路希望の割合からすると、少なすぎないでしょうか。漢検も人数が少なくて実施できませんでした。はたして、進路について「考える」ことができているのかと心配になります。また、学習状況のアンケートでは、試験前でない通常の期間、学習時間が1時間以下の生徒の数が多い。これも、悩んでいるが考えていない証拠です。
本校3年生の例を紹介します。埼玉県立大学という看護系の学校で、県内トップの難易度の大学に合格した生徒がいます。その生徒は3年の9月頃、先生から相当本気で取り組まないと無理だといわれました。ここまでは、悩んでいる状態です。ただ、そこから何をやるかを考え、毎日のように職員室前の机で勉強していたそうです。考えて、アクションを起こし、進路実現を果たしたのです。
私は4月に草加東高校に着任して以来、いつも皆さんのポテンシャル(潜在能力)の高さに感心しています。しかし、もったいないことに、自分の持っている力に気づいていない、または、過小評価しすぎている生徒が多い気がします。
皆さんは多くの可能性を持っています。実現したい進路があれば、悩んでないで、考えるにシフトしてください。人生は、常に選択の連続です。だからこそ、「考える力」を磨いて、自分の未来を切り開いてください。
冬休みは、、夢を描き、目標に向けて、悩むから考えるにシフトするチャンスです。健康に留意し、有意義な冬休みを過ごしてください。
挑戦を恐れずに、充実した高校生活を(2学期始業式 校長講話)
台風10号の進路予報がそれ、予定通り2学期が始まります。旅行していて交通の乱れなどの影響を受けた人もいるかもしれませんが、皆さんが夏休みを安全に過ごし、元気に学校に戻ってきてくれたことを心から嬉しく思います。
この夏はパリ・オリンピックが開催され、世界中のアスリートが長年の努力と練習の成果を披露しました。彼らの努力、困難に立ち向かう姿勢、そしてチームワークの大切さは、多くの人に感動を与え、私たちにとって大きな学びとなりました。皆さんも、これらの価値を自分の生活や学習に活かしていけるといいですね。
1学期の終業式で「夏休み、時間を有効に使って、自分の夢に近づく夏にしてください。今しかできないことに全力で取り組んで、一人一人が成長できる夏にしてください。」と話をしました。今年の夏を振り返って、何かを頑張ったといえる夏になりましたか?
個人的な話ですが、私はお盆明けにコロナ感染症にかかってしまい、楽しみにしていたダンス部の発表会なども見ることができませんでした。熱が39度を超えて、5日間の自宅待機後も、体のだるさなどが残りましたが、ようやく回復してきました。
今、埼玉県内ではコロナの感染者が再び増加しています。文化祭や3年生の進路へ向けた取り組みなどを控え、改めて感染対策に一人一人が気を付ける必要があります。人にうつさない、自分自身が罹患(りかん)しないために、基本的な手洗いの習慣や換気、そして体調が悪い時には無理せずに休むことを心がけてください。
また、南海トラフを震源とする大きな地震もありました。遠くから通学している人もいます。万一の避難や連絡について家族で話をしてください。
さて、2学期、勉強の秋、スポーツの秋などと言われますが、いろいろなことに挑戦する期間でもあります。部活動の大会、文化祭などの学校行事、様々なイベントが予定されています。オリンピックのアスリートが示したように、一つひとつの活動に対し、全力で取り組むことが、自身の可能性を広げる鍵です。失敗を恐れず、常に前向きなチャレンジを心がけて、充実した学校生活を送ってください。
ここで、日本を代表する自動車・バイクメーカーである「HONDA」の創業者の,本田宗一郎(ほんだ そういちろう)の言葉を紹介します。それは「失敗することを恐れるより,何もしないことを恐れろ」という言葉です。
失敗を恐れて挑戦することから逃げていては何の経験も実力も身に着けることができなくなり,自らの成長を止めてしまうことになります。 たとえ失敗したとしても何かをやり遂げた経験があれば,その経験が次に活かされて大きな成功を掴む(つかむ)チャンスに繋がる(つながる)ものです。
漠然(ばくぜん)と頭の中で悩んでいても何も始まらない。やらなければならないのは,チャレンジすること,具体的に行動に移すことです。
人生は有限ですから,無駄(むだ)な時間を過ごすことは大きな損失(そんしつ)です。目標があるのであれば,眺め(ながめ)ているだけでなく,実現に向かってチャレンジしてみましょう。
皆さんが今学期も、健康で充実した学校生活を送れるよう、先生方と一緒に、全力でサポートしていきます。何か困ったことがあれば、遠慮なく相談してください。
2学期も一緒に頑張っていきましょう。
成長する夏に (終業式講話)
先日、野球部の試合がレジデンシャルスタジアムで行われ、皆さんを含めて250人以上というたくさんの方が応援に来ていただきました。選手の皆さんもそれに応えるいい試合をしてくれ、応援スタンドとグランドが一体となってとても感動しました。
野球部にまつわる話を紹介します。先日、校長あてにあるバス運転手さんから電話をいただきました。運転手さんのお話では、本校生徒が練習試合に向かうためバスに乗っていたとき、途中から乗車してくるお年寄りに席を譲るなどすがすがしい行動に、ほかの乗客も含めてバスの中の雰囲気がとても暖かいものであったので、うれしくて電話をしてきてくれたそうです。次の試合には一ファンとして応援に行きますとおっしゃっていたので先日の試合をスタンドから、見ていてくれたかもしれません。
私はこの話を聞いて、本校生を誇らしいと思う反面、このことを特別に感じてしまう世の中の状況が残念だと感じました。
運転手さんがおっしゃるには、日頃、携帯電話を見ていてお年寄りや体の不自由な方などの存在に気づかない、または気づかないふりをしている高校生が多いそうです。高校生だけではない話かもしれないが、運転手さんはそのような状況を毎日見ているので、本校生徒の行動を素晴らしいと感じたのだと思います。
今、社会では他人に対して寛容性がなく、自分勝手な行動をする人が多くなっている気がします。一方、困っている誰かに手を差し伸べられる社会は、みんなが気持ちよく生活できる社会です。君たちの力で、社会を変えていってほしいと思いますし、すでに、そのような行動をしてくれている生徒が本校に多いことを頼もしく思います。
さて、4月の始業式に「志」の話をしました。クラーク博士の「少年よ大志を抱け」の話ですが覚えていますか。今学期を振り返り、皆さんは「夢」や「やりたいこと」に志をもって、どれくらい近づいたでしょうか。
明日から始まる夏休み、時間を有効に使って、自分の夢に近づく夏にしてください。例えば、大学進学を希望している生徒は、1年生から参加できるオープンキャンパスもあります。
専門学校に行きたいという生徒は、学校を見に行くだけでなく、その先にある職業の現場を見に行くこともいい経験になります。さらに、思いっきり部活に取り組むこともいいでしょう。今しかできないことに全力で取り組んで、一人一人が成長できる夏にしてください。
ブログの題字を書いていただきました
本ブログの題字を、書道部部長の牧野妃夏さんに書いていただきました。ブログには生徒に話したことなどを掲載します。学校の日常の様子は上部メニューバー「各学年・今日の草東」から各学年とカロ日誌に掲載しています。こちらも併せてごらんください。
なお、気になる言葉「言の葉」ではできる限り引用元を示します。お気づきの点がありましたらお知らせください。
うれしい電話がありました
学校はいろいろな方からお電話をいただきます。先日、あるバス会社の運転手さんからご連絡をいただきました。
運転手さんからお聞きしたのは、本校生徒が部活動の練習試合で路線バスで会場に向かう途中の出来事でした。
はじめは乗客が少なかったのですが、途中からお年寄りの方が乗車してきたときに、本校生徒が当たり前のように自然に席を譲り席への移動を気遣っていたそうです。その後、他のお客さんが乗車してきたときも、部員たちは全員が同じ行動をとっていて、バスの中がとても温かな雰囲気に包まれたそうです。
日頃、バスを運転していて、スマホを見ていて周りの人に気づかない、または気づいても周囲に気配りができない高校生も多いなか、とても嬉しくて学校に連絡をしていただいたとのことでした。
電話を受けた私も、とてもうれしい気持ちになりましたが、こうした若者の行動を見たとき「嬉しい」ではなく「普通」と思える社会にしていかなくてはならないと感じます。
いま、DXやリモートが推進され、人と人との触れ合いの中で人間性を高めていく機会が少なくなっています。学校は子供たちにどのような力を身に着けていくことが大切か改めて考えさせられました。
最後に運転手さんからこんな言葉をいただきました。「学校は世間からいろいろ言われることもあるだろうけど、先生方は正しいこと・間違っていることをプライドをもって指導してください。7月15日の試合も応援しています。」とエールをいただきました。
野球部諸君、いろいろな人が応援している。全力のプレイで応えていこう!!
【気になる言葉】
人は他人のために存在する。
何よりもまず、その人の笑顔や喜びがそのまま自分の幸せである人たちのために。
そして、共感という絆で結ばれている無数にいる見知らぬ人たちのために。
アルベルト・アインシュタイン
一人一人が優勝です(体育祭)
体育祭(閉会式)
本日の体育祭、雨と雨に挟まれたわずかな晴天に、奇跡のように実施できました。天候にも恵まれ、とても良い体育祭ができました。PTA・保護者の皆さま、生徒へのドリンクの差し入れや、生徒たちの温かな応援で支えていただきありがとうございました。
さて、講評ということですが、まずは、一人一人が全力で頑張りました。全体での準備やボイスランなども昨日よりも良かったと思います。一人一人が意識して行動してくれていた結果です。そして、仲間へ熱のこもった応援、選手もそれに応える活躍をしてくれて、とても素晴らしいと感じました。
競技について、大繩ではチームワークが大切ですが、さすがは3年生、見事なチームワークでした。ロープ引きや騎馬戦では、学年関係なく、激しいバトルが繰り広げられ、熱気が伝わりました。
体育祭の要綱の表紙に、本校の校訓「望みを抱いて喜び、艱難に耐える」と書かれていましたが、まさに本日の体育祭は、校訓の言葉とおり実施ができたと思います。
少し大変だけれど仲間と助け合って練習を重ねてた準備、そして、今日の本番を終え、仲間とともに達成感を感じているのではないでしょうか。
中心となって活躍した3年生、特に体育委員の皆さん、お疲れさまでした。
成績発表はありましたが、全力で取り組んだ一人一人が優勝と思っていいと思います。
みんなが輝く、素晴らしい体育祭でした!