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心に沁みるハーモニー(埼玉県吹奏楽コンクール地区大会)

 本日7月29日(火)久喜総合文化会館において、第67回埼玉県吹奏楽コンクール高等学校部門Bの部地区大会が開催され、本校吹奏楽部が出場しました。

 埼玉県吹奏楽コンクールは西関東吹奏楽コンクールの県予選を兼ねるコンクールで、高校生吹奏楽演奏家たちにとって最も権威が高く、1年間の活動の集大成を競い合う思い入れの強い大会であり、同時に3年生部員たちにとっては高校生活最後の公式演奏会となる節目の大会でもあります。

 吹奏楽の世界では、演奏する人数によってAからDの4つの部門(埼玉県以外ではAからCの3部門)に分かれており、上位大会(県大会以上)への出場権が与えられるのはAの部(31人以上55人以下)とBの部(30人以下)のカテゴリーのみで、Cの部(20人以下)とDの部(人数制限なし)は上位大会にはつながらない地区大会のみの部門として行われる規定となっています。本校は、部員13名でチームを編成して少人数部門であるBの部に出場しました。

 本校の吹奏楽部の部員たちを見ていると、他校に比べて人数は少ないものの、音楽に青春を賭す姿は強豪といわれる学校の部員たちと何ら変わらない熱い情熱を感じます。むしろ1つの楽器を担当できる人数が限られているため、チームの中での個々の存在感が際立ち、全体のハーモニーを作り上げる上での自覚と責任は強く、個々の演奏スキルの向上に賭ける思いは大規模なチーム以上に強いものを感じます。

 また、普段から「誰かのために」という献身的な想いをもって音楽を届けており、猛暑の中での野球部の応援演奏をはじめ、近隣の各種イベントへの参加、地元公民館や福祉関連施設とのコラボなど、多様な方々に音楽を通じて勇気と感動を届けています。そうした姿を観る度に、部員たちが誰かの役に立ち、力になりたいというあたたかな心と純粋に音楽を楽しむことの大切さに気付かされます。

 本年度のコンクールではBの部に57校がエントリーし、Cの部との共催で2日間の日程が設定されており、これまでの実績から既に県大会への出場が決まっているシード校4校を除く53校が優秀なチームの証である金賞の獲得と各日11枠(計22枠)設定された県大会への出場権を賭けて自由曲1曲のみの演奏で審査を受けるレギュレーションとなっています。

 本校は1日目のBの部の第1グループにエントリーされ、午前中に行われたCの部の最終演奏のあと、休憩時間を挟んで観客を入れ替え、グループ2番目となる12時20分からの演奏となりました。

 演奏前にリハに向かう生徒たちと廊下ですれ違った際に「頑張れ」と声をかけましたが、生徒たちは笑顔を見せてくれながらも緊張した面持ちで、生徒たちのステージに賭ける本気度をしっかりと感じることができました。

 演奏開始5分前のブザーとともに13人のメンバーたちが楽器と楽譜を抱えてステージに現れ、指揮者である鈴木教諭と目を合わせながらスタンバイが完了すると、同時に定刻を告げるブザーが鳴りました。次の瞬間鈴木教諭の合図に合わせて部員たちが一斉に起立し、引き締まった表情で一礼をすると、会場を埋めた観客の皆さまから大きな拍手で迎えられました。

 生徒たちの目が一斉に鈴木教諭に集まる中、一呼吸置いて指揮棒が振り下ろされると、本校の勝負曲である自由曲「天女の舞~能『羽衣』の物語によるラプソディ」の演奏が始まりました。

 この曲は、少人数編成向けに作られた曲で、穏やかな曲調の中での個々のパートが輝けるような演奏スキルが際立つ構成となっており、序盤は穏やかに繊細で、中盤は全体で奏でる重厚感と一体感が感じられ、終盤は再び透き通るような個の音色から徐々にハーモニーとなり、最後は天女らしく美しい響きでエンディングを迎える特徴的な曲でした。

 ステージに立った13名の部員たちは、身体全体を使ってリズムを取り、それぞれが自分のパートをしっかりと演奏しながら、様々な楽器の音色が折り重なる美しいハーモニーを奏でていました。部員たちの中には複数の楽器を見事に操る生徒もいて、目を瞑っていると13人での演奏とは思えない奥深く心地良いハーモニーに酔いしれてしまいました。

 最後は、鈴木教諭の大きく広げられた腕が、握った指揮棒とともに静止した瞬間に一斉に音が消え、次の瞬間、会場から大きな拍手が沸き起こりました。その拍手は、生徒たちが奏でた渾身のハーモニーが、多くの方々の心に沁みる感動を届けてくれた証でもありました。

 一斉に起立して深々と一礼した生徒たちは、やり切った感のあるとても良い顔つきで、自分たちも十分に手ごたえを感じられる演奏ができたのだと感じました。

 午後6時40分から行われた結果発表と表彰式に参加できるのは出演者のみに限定されていたため事後にネットで結果を確認すると、目標としていた金賞の受賞は叶いませんでしたが、銀賞受賞校の中で優秀であると評価され、県大会への出場権を無事に獲得することができました。

 当然のことながら生徒たちは金賞を目指していたので悔しい思いがあるのだと思いますが、演奏後に会場に鳴り響いた拍手は金賞を獲得したチームにも決して劣るものではありませんでした。会場の皆さんは、本校チームの演奏の素晴らしさを感じてくれていたはずです。こうして観客の皆さんからの称賛をいただけたのは、13人の部員たちが日々地道な練習を積み重ねるとともに、全員が常に高みを目指して挑戦し続けてきた証でもあると言えます。

 上位大会である西関東大会への出場権獲得を賭けて行われる県大会は、8月3日(月)に所沢市民文化センターにて行われます。県大会まであと5日、悔いなく準備を重ねて万全の体制で県大会に向かってほしいと願います。

 本日は、連日の猛暑厳しい中、たくさんの保護者の皆さまにご来場いただき、誠にありがとうございました。皆さまのあたたかなご支援のおかげで無事に県大会出場権を獲得することができました。こうして部員たちが青春を賭して音楽を追求し続けることができるのも、ご家庭のご理解とご支援があればこそのことと重ねて感謝申し上げます。

 県大会では、本日の反省を活かしてこれまでで最高の音楽を奏でてくれることと信じています。今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 頑張れ、草東生!輝け、吹奏楽部!