2学期終業式(自分の個性も他人の個性も大切にしよう)
今学期、嬉しいことがあったので紹介します。
卒業生から寄付をいただきました。平成4年の卒業生で50歳前半の方。所用があって、学校に来校されたとき、在学中にお世話になったので、寄付をしたいという申し出を受け、ありがたく受け取りました。その卒業生は、いまも地元で暮らしています。おそらく、高校時代にたくさんの思い出があり、30年以上たった今も一人の卒業生として、この学校を見守ってくれている方がいることをとても嬉しく感じます。
皆さんも、いまを一生懸命に充実させることができれば、いつか振り返った時に、この卒業生と同じように、ここで自分自身が成長したと感じられるのではないかと思います。君たちの周りには、草加東の後輩を思いやる先輩たちがいることを忘れずに生活してください。
さて、3年生は進路が決まった生徒、または、これから大学入試を迎えて頑張っている生徒も多くいる。
1月17日・18日の共通テスト、さらに一般入試に向けて頑張ってください。
本校は約半分の生徒が大学進学をするのですが、大学には、高校の授業にはない、変わったテーマを研究する学問があります。例えば、国立大学法人 東京学芸大学 准教授の小西公大さんは「変人類」をテーマに研究する、変人類学研究所の所長で、東京学芸大学が企業と教育プログラムの構築を探る実践型研究機関です。彼が研究する「変人類」というのは、変な人類学(変・人類学)を学術的研究する学問で、マージナリティ(境界性)、マイノリティの特異な視点を研究し、現代社会に適合する次世代のクリエイティブ教育の構築を探るというものです。
簡単に言うと、人とちょっと変わった視点で、多角的に物事をとらえることが、新たな教育革新につながるヒントとなることを研究しています。
小西先生が研究を始めたきっかけは、インドに行った時のこと。日本のあたりまえと思っていたことがインドでは通じないことに驚きました。彼は、これまで当たり前と思っていたこととの違いに出会う度に、自分の枠が広がっていく経験をしたと言っています。
私もJICAの関係でバヌアツやブラジルで仕事をして同じような経験をしました。日本人は時間に正確です。新幹線の時間の正確さは世界でも類を見ない。ところが、バヌアツで酋長と待ち合わせをしたとき、相手が3日くらい遅れてきました。日本人である私は、なんで3日も待たせるんだと怒ってしまったことがあります。ところが、友人が言うには、酋長は約束の時間に20Km位離れた村を出た。そして歩いてくる途中に手土産をもっていきたくなって、野生の牛を捕まえようとして森に入って探しているうちに3日遅れてしまったとのこと。「君は待っていただけだが、彼は3日間ずっと君のことを考えて、森を歩いていたんだ。だから怒ってはいけない。」と言われ、自分の立場でだけ考えて、相手の立場で考えていなかったと、はっとさせられたことがありました。
違いというより、相手の立場で考えることができたかどうか、ということかもしれない。相手の立場で考えるとは、想像力が必要なこと。想像力を身に着けることも、自分自身の枠を広げることにつながります。
皆さんは、いま、高校生活では小中学校よりも広範囲から人が集まっています。その中で一人一人が違うのは当たり前のこと。お互いの違いを受け入れて認め合い、違いを活かしあうことが大切です。また、自分はもしかしたら周りの人とちょっと違うかもしれないと思っている人がいたら、それこそが自分の強みなのだと思ってください。
違いを受け入れて認め合うこと、相手の視点に立って考えること。これらのことは、高校生活において大切なことであるし、皆さんが身に着けてほしい資質です。自分の個性を伸ばし、自分の個性も他人の個性も大切にする。そんなことを考える冬季休業にしてください。