対話力を磨こう(始業式)
今日から令和7年度、新しい年度がスタートし、午後からは第46期生の入学式が行われます。皆さんはそれぞれ、2年生と3年生、草加東高校の中心となって活躍し、後輩たちを引っ張っていく、または、さすがは先輩と憧れられるような存在になってくれることを期待しています。
始業式にあたり、私がから皆さんに伝えたいことが3つあります。
【1 身に着けてほしい力、対話力】
皆さんが社会に出るころには、今ある仕事の半分はなくなるといわれる、変化の激しい時代です。前例を探しても、答えが用意されていない時代を生き抜くために必要なものは、google検索のように、どこかに用意してあった過去の答えを探すことではなく、周囲の人と協調して、前向きに知恵を出し合い、課題を解決するための協調的な対話力です。
いま、対話という言葉を使いましたが、「対話と会話」は似ている言葉ですが、違いって何だと思いますか。
「対話」とは、互いの立場や意見の違いを理解し、その ズレを擦り合わせることを目的に行うものです。会話も対話も二人もしくは少数で話し合うことですが、 会話には明確な目的やゴールがありません。例えば、今日いい天気だねとか、昨日、あのテレビ見た?など
それに対し、対話は何かしらのテーマに基づいて、お互いが意見を述べ合い、何らかのゴールを目指します。
この対話力は、決して一人で身に着けることはできません。人と人の中で協調して取り組む経験こそが、対話力を高めていくものです。本校では学校行事や部活動など学年を超えて、取り組む活動があり、人と人とのつながりのネットワークを広げる機会がたくさんあります。新しい級友との出会いは対話力を高めるチャンスです。何事にも積極的に取り組んでください。
【2 進路選択について】
3年生だけでなく、2年生も進路について真剣に考える時期が迫っています。準備はどうでしょうか。進路決定に向けて大切なことは、第一志望を簡単にあきらめず、データに基づいて「積極的」な進路決定をすることです。
大学進学を目指す高校生がよく勘違いしていることは、模試判定、北辰テストと大学受験は意味が違う。詳しくは進路の先生や担任の先生に相談してほしいが、3年生であっても、いまCやD判定だからと言って安易に志望校をあきらめる必要はない。3年生の4月でD判定でも、合格している生徒はたくさんいます。ちょっと前の駿台模試のデータでは、3年の9月にD判定でも最後まで頑張った生徒の40%は合格している。これがデータに基づいて判断すること。
模試では、合否判定よりも、回答や解説を詳しく見て「何がわかっていないか」を確認し、合格ラインに届くには、あと何点取ればいいかを知ること。 そして、何がわかっていないかを確認しながら、対策をたてて勉強を進めていく方法を「メタ認知的」学習と言い、学習科学の研究では、成績向上にとても効果的だといわれています。学校の定期テストや小テスト、模試や英検などを効果的に活用して、「自分が何をわかっていかを理解して、それを克服する学習プランを考え取り組むというメタ認知的学習」で効果的に学力を高めてほしい。ただし、希望の進路をかなえるには、自ら学ぶ姿勢や一定の学習の時間は必ず必要です。昨年度、看護系の進学では県内トップクラスの難易度の大学に進学した君たちの先輩は、3年生になってからの追い上げでしたが、ほぼ毎日職員室前の机で勉強していました。
【3 時間を有効に使う】
私が尊敬する教え子の話をします。
さいたま市内の高校で担任をしていた頃のサッカー部の生徒。その生徒は朝7時頃から朝練、授業後は夜9時ころまで練習に打ち込んでいました。そのような生活をしていたので、家で勉強する時間はないのですが、授業中に集中して取り組み、とても優秀な成績でした。その生徒とは、のちに日本代表のGKとなって海外でも活躍した川島永嗣君でした。集中力、スキマ時間の使い方、高い志など、私が心から尊敬する教え子の一人です。
皆さんも、勉強中はスマホの電源をオフ、朝学習や電車通学の時間を活用するなど、時間の使い方について参考にしてほしいと思います。
最後に、日米で野球殿堂入りを果たした、イチロー選手の言葉を紹介します。
「小さいことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道。」
目標を達成するための近道はなく、小さな努力の積み重ねが最も大切です。小さな一歩であっても、それを続けることでやがて大きな成果へとつながることを忘れずに、令和7年度の高校生活を送ってください。