40期生活動報告

なぜ日本史を学ぶのか

 2学年の日本史担当からお送りします。今回は、「なぜ歴史を学ぶのか?」について触れていきます。

 短くまとめると、歴史的事象から同じ過ちを繰り返さず、先人たちの知恵に学ぶことで、私たちが生きる現代社会の環境をよりよくしていくためです。何だか少し難しい感じになってしまいますね。

 

 もう少し具体的な例を挙げてみます。

 14世紀ころのヨーロッパでの話です。

 当時のヨーロッパでは感染症の一つ「ペスト=黒死病」が流行し、人口の3分の1近くが亡くなったと言われています。とくに都市部では人口密集が起こり、道路には泥やほこりが充満している不衛生な状況であったため、急速に広がったようです。さらにキリスト教中心のヨーロッパ社会では、異教徒であるユダヤ人原因説がささやかれ、その迫害が各地で起こり虐殺までおこなわれてしまいました。目に見えないウイルスに対する恐怖が罪の無い他者を攻撃する結果につながった、二度と起こしてはならない出来事です。その一方で、イタリアでは感染者の隔離とともに感染のチェック体制がつくられていた記録が残っており、現在の状況と似た対策もとられていたことが分かっています。

 

 実は日本でも今と同じような事態が起こっています。

 江戸時代の終わり頃、「コレラ」とよばれる感染症が流行するようになりました。1879年と1886年には大流行し、年間10万人以上の方々が亡くなったと言われています。感染した方々が次々に亡くなっていく様子から「コロリ」と呼ばれて恐れられていたようです。当時の日本は、14世紀ころのヨーロッパと同じように、都市部での人口急増と密集化が進み、不衛生な状態が問題となっていました。感染拡大防止のため患者の隔離もおこなわれましたが、医者や役人を襲撃する農民騒動が起こってしまいました。コレラ患者の死亡率が高いため隔離されると大半が亡くなり、伝染病についての知識や衛生の考え方も浸透していない時代であったからです。その様子を知った外国人から「手洗い」の習慣を教えられ、1900年以降になると、港での検疫の強化、医療・衛生設備の改善なども進みコレラの死者は激減したそうです。

 以上のことから分かることをまとめます。

・感染拡大の原因が、人々の密集化にあること。

・宗教・民族差別や医療従事者への偏見が生じてしまったこと。

・感染症対策として、衛生管理や感染者の隔離が一定の効果を挙げていること。

 

今現在と比べてみるとどうでしょうか?

 

人々の密集化を避けるため外出自粛がうながされ、専門家は「他者との接触を8割減少」させる必要があると訴えています。残念ながら、現在においても医療従事者への偏見から保育所の預け入れを拒否される事例も発生しています。人命救助のために奮闘する医療従事者に対しては、敬意が払われなければなりません。そしてやはり、感染症対策としては「手洗い」「うがい」が一定の効果を挙げるとされています。

先人たちの知恵に学びながら、改めるべきことは改め、この難局を乗り越えていきたいですね。

「日本史」や「世界史」の授業を通して、歴史から学び、今後につなげていきましょう。

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